ピラティスのアップダウンができない5つの原因を解剖・運動学からひもとく!


運動指導者の方やピラティスインスタラクターの皆さん、

マットピラティスのアップダウンで、

もも前に効く」

「お尻に効かない」

「お腹を感じられない」

などを修正できない悩みはありませんか?


実は、

これらはとてもあるあるの悩みです笑



今回もこの解決法を一緒に探っていきましょう!


目次

アップダウンができない理由を解剖学から


横向きで脚を上下にに振り上げるこの動きは、

見た目はシンプルですが実は奥が深いのです…


なので様々なエラーが出現します。

「もも前に効いてしまう」

「お尻に効かない」

「お腹を使っている感覚がない」

「腰に負担がくる」

「身体がグラグラして安定しない」

指導現場ではこうした声をよく耳にします。

では、これらの原因はどこにあるのでしょうか?

単純に「お尻が弱いから」だけではありません。

解剖学・運動学の観点から整理すると、

大きく5つの要因にまとめられます。

  1. 中臀筋の機能不全
  2. 股関節屈筋群の過剰活動
  3. 体幹安定性の不足
  4. 胸郭と骨盤アライメントの不良
  5. 支持側の安定性不足

ここからは、

その5つの理由をひとつずつ深掘りし、

改善アプローチをお伝えしていきます!


理由1:中臀筋の機能不全

中臀筋の役割

中臀筋は骨盤の外側に位置し、

股関節外転・骨盤の水平維持を担います。


アップダウンでは、

支持側の安定と動作脚のコントロールの両方で活躍する重要な筋肉です!

弱いとどうなる?

中臀筋がうまく働かないと、

もも前(大腿直筋や腸腰筋)に頼ってしまいます。


その結果「お尻に効かない」「股関節の前側が張る」といった訴えにつながります(Neumann, 2017)。


要するに、

膝関節〜股関節の大きな筋肉に頼ってしまうわけですね!

改善のステップ

まずは横向きで脚を上げる前に、

支持側の骨盤を安定させる練習をしましょう。

一例としては、

クラムシェルが中臀筋の基礎練習におすすめです。


アップダウンは膝を伸ばしているので、

膝関節の要素も関与する為、意外と難易度が高いのです。

なので、

股関節しか関与しないクラムシェルから始めると、

難易度が下がるので、中臀筋の要素を引き出しやすくなります


理由2:股関節屈筋群の過剰活動

股関節屈筋群の役割

腸腰筋や大腿直筋などの股関節屈筋群は、

脚を前方へ持ち上げる動きを担います。

過剰に働くとどうなる?

理由1ともつながる内容ですが、

お尻の筋肉が働かないと、

股関節屈筋群が主導してしまいます。


これにより「もも前に効く」感覚が強まり

腰を引っ張るような張り感も出やすくなります。


特に大腿直筋が優位になると、

骨盤前傾や腰椎伸展の代償が起こります。



わかりやすい代償例では、

おへそが天井を向いていると、股関節の屈筋で上げている可能性が高いです!

改善のステップ

「おへそを正面に向かせる」意識を持たせましょう。

こうする事により、

大体前側の屈筋を大幅に使いづらくなります!


さらに股関節屈筋の柔軟性を高めるストレッチを導入するのも効果的です。

屈筋が働きにくいデザインに持っていくことが大事です


理由3:体幹安定性の不足

体幹の役割

アップダウンは単純に脚を開く運動に見えますが、

実は体幹の安定があってこそ成立します。

特に腹斜筋の働きは、

骨盤が捻れないように固定し、

股関節運動を分離させる役割があります。

弱いとどうなる?

体幹が安定していないと、

脚を動かすたびに腰や骨盤が揺れてしまいます。

その結果「腰を使ってしまう」「グラグラして安定しない」というエラーにつながります。

改善のステップ

まずは、

「骨盤を止めて脚だけを動かす」練習が必要です。

スパインツイストスーパインなど、

仰向けテーブルトップポジションで、

おへそは天井を向けたまま膝を左右に倒す様なエクササイズもおすすめです!


理由4:胸郭と骨盤アライメントの不良

胸郭・骨盤の役割

胸郭と骨盤の相対的な位置関係は、

体幹の機能を大きく左右します。

サイドキックでは横向きで寝たときに、

胸郭が後方へ傾いたり、

骨盤が前傾・後傾しすぎたりすると、

動きが乱れやすくなります。

弱いとどうなる?

胸郭と骨盤のアライメントが崩れると、

腹部が使えず「お腹の感覚がない」という状態になります。

また、

腰椎が反ったり丸まったりすることで腰への負担が増します

改善のステップ

まずは,

仰向けや四つ這いで「胸郭と骨盤のニュートラル」を感じる練習をしましょう。

その上で、

同じように、

横向きに寝たときに「肩・骨盤・踵が一直線」になるようにセットすることが重要です。

壁を背中に沿わせて行うのも良いフィードバックになります。


理由5:支持側の安定性不足

支持側の役割

アップダウンでは、

下になっている支持側の上肢と体幹が土台となります。

この支持が弱いと、上の脚を自由に動かすことができません

弱いとどうなる?

支持側が安定していないと、

骨盤が傾き、

上の脚を動かすたびに身体全体が揺れてしまいます。

そのため「グラグラする」「お尻に効かない」といった課題が生まれます。

改善のステップ

支持側の安定性を高めるには、

課題の難易度を下げ、

サイドプランクから練習するのが有効です。

下側の体幹を少し持ち上げるように意識し、

マットとの間に空間を作る感覚を育てましょう。

これにより、上の脚を自由に動かしても身体がぶれにくくなります。

アップダウンができない!を解決するまとめ!

アップダウンでよく見られる課題は、

単に「お尻が弱いから」ではなく

  1. 中臀筋の機能不全
  2. 股関節屈筋群の過剰活動
  3. 体幹安定性の不足
  4. 胸郭と骨盤アライメントの不良
  5. 支持側の安定性不足

という5つの観点が関与しています。

指導の際は「どこで代償が出ているのか?」を丁寧に観察し、

必要に応じてプレエクササイズを組み合わせましょう。

今日からのセッションで、

この5つの視点をチェックリストとして活用していただければ幸いです!

N.Pilates Seminar

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