僧帽筋の解剖学〜ゼロからわかる解剖学〜

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僧帽筋の解剖学的特徴

僧帽筋は首〜背中にかけてある大きな筋肉です。

この筋肉は肩こりとも関係しているため、知っている方も多いのではないでしょうか?

首から肩にかけての重だるさや肩こりは、僧帽筋の上部が過度に働いてしまいます。

上部って何?と思った方。

実は、僧帽筋は上部・中部・下部繊維に分かれています。

首こり・肩こりの方は、僧帽筋の上部が過剰に働き、下部繊維が上手く働いていないことが報告されています。

僧帽筋上部の長期的な過活動と短縮は僧帽筋下部を弱くし、これが筋のアンバランスを引き起こす。

Effects of Lower Trapezius Strengthening Exercises on Pain, Dysfunction, Posture Alignment, Muscle Thickness and Contraction Rate in Patients with Neck Pain; Randomized Controlled Trial

他にも僧帽筋は

・肩関節周囲炎

・頭痛

などの症状にも関わってきます。

僧帽筋を解剖から理解することで、肩こりや頭痛など原因やアプローチがわかります。

  • 筋肉がどんな位置についているのか
  • どんな特徴があって
  • どんなエクササイズが効果的なのか

今回は僧帽筋を解剖から理解し、明日から使えるPointをお伝えします!

僧帽筋の起始・停止は?

【起始】

後頭骨、第7頚椎〜第12胸椎の棘突起

【停止】

鎖骨外側1/3、肩甲骨【肩峰、肩甲棘】

【作用】

上部繊維:肩甲骨の挙上・上方回旋、頸部伸展・側屈

中部繊維:肩甲骨内転・上方回旋

下部繊維:肩甲骨下制・上方回旋

作用については上記の通りなのですが、専門用語が多くわかりにくいですよね。

実際には大まかな位置関係を理解しているだけでも、エクササイズ指導に活かすことができます。

なので、簡単に理解したい方は下記をご参照ください!

【ズボラ起始】

頭の後ろ〜胸椎

【ズボラ停止】

肩甲骨

僧帽筋は繊維ごとに作用が少し異なります。

全ての繊維が上方回旋の作用はありますが、それに加えて

上部⇨挙上

中部⇨内転

下部⇨下制

の働きがあります。

筋肉の位置関係がわかるとイメージしやすいですよね!

僧帽筋は手を挙げる時にも重要な働きをします。

肩甲上腕リズムを知っていますか?

肩甲上腕リズムとは、『手を挙げる時には上腕骨と一緒に肩甲骨も動く』というもの。

ざっくりと上腕骨:肩甲骨=1:2で動くとされています。

筋肉がどのように関与するかは、この画像がイメージしやすいです。

このように僧帽筋の各繊維や前鋸筋が適切に働くと、肩甲骨が上方回旋しキレイに手を挙げることができます。

ですが、デスクワークなどで長時間の不良姿勢が続き、筋肉のバランスが崩れると肩甲骨の動きに不具合が生じてしまいます。

そのまま使用することで肩に不調が生じて、痛みにつながるといったケースも多いです。

僧帽筋が弱いとどうなる?

僧帽筋が弱いと、肩こりにつながってしまいます。

『僧帽筋が硬いと肩こりになるのでは?』と思った方もいるのではないでしょうか?

具体的には、

僧帽筋の下部繊維が弱いと肩こりにつながるケースが多いです。

上位交差性症候群を知っていますか?

上位交差性症候群とは、いわゆる猫背のような姿勢のこと。

『背中が丸くなって、首が前に出るような姿勢では、筋肉のバランスが崩れちゃうよね』

というイメージで理解しましょう。

具体的には、

〈胸筋群や広背筋などの前下方の筋肉〉と〈僧帽筋上部や肩甲挙筋などの後上方の筋肉〉が短縮

〈椎前筋のような頸部屈筋群の前上方の筋肉〉と〈僧帽筋下部や菱形筋などの後下方の筋肉〉が弱化

というような筋肉のバランスになりやすいです。

短縮筋と弱化筋がクロスするようになっているため、上位交差性症候群と呼ばれているんですね。

理解しやすいですね!

短縮しやすい筋肉と弱化しやすい筋肉がわかれば、アプローチを考えるのは簡単ですよね。

シンプルに、

短縮筋→伸ばす

弱化筋→鍛える

というアプローチが重要になってきます。

これが理解できれば、『僧帽筋の上部はストレッチして下部は鍛えてあげたほうがいいんだ!』と理解できますね。

僧帽筋が硬いとどうなる?

僧帽筋は硬くても、肩こりにつながってしまいます。

先ほどもお伝えしたとおり、僧帽筋の上部は緊張しやすい筋肉の一つです。

特にデスクワークやスマホの普及により、頭が前に出てしまう姿勢では僧帽筋に負担がかかりやすくなってしまいます。

『じゃあ、姿勢を戻せばいいんだ!』

と思った方は半分正解で半分間違えです。

もちろん姿勢を治すことは非常に重要なのですが、筋活動のパターンを修正しないと肩こりは改善しないことがわかっています。

正常群は,安楽姿勢が最も疲労の訴えや筋活動量が少なかったのに対して,FHP群は全ての姿勢で強い疲労の訴えおよび過剰な筋活動を呈し,頭頸部の位置を変えても疲労や筋活動量は変化しないことが明らかになった。

FHP群は,正常群と比較してすべての姿勢で疲労の訴えが強いことを確認し,僧帽筋上部線維の過剰な筋活動が生じている。

Influence of forward head posture on muscle activation pattern of the trapezius pars descendens muscle in young adults(Nishikawa 2022)

つまり頭が前に出ているような姿勢の人は、常に僧帽筋の上部が働きやすくなっているということ。

僧帽筋の下部が働きやすいような筋活動パターンを学習するのが重要になります!

エクササイズ

では、実際のエクササイズです。

まずは、僧帽筋の上部のストレッチ方法から。

僧帽筋の上部繊維は肩甲骨を固定した状態で頸部の屈曲や側屈でストレッチができます!

肩甲骨の挙上・上方回旋を固定した状態で頸部を屈曲することで僧帽筋上部線維をストレッチング出来るが,屈曲よりも側屈する方が効果的にストレッチングすることが可能であった。

僧帽筋上部線維の効果的なストレッチング肢位の検討(中村 2016)

僧帽筋下部のエクササイズとしては、挙上150度、外転120度で働きやすいという報告があります(Miyashita 2017 )。

また、Y字エクササイズが僧帽筋下部のエクササイズとして有効(sato 2020)という文献もありますが、負荷が高いため僧帽筋上部にも負担が強くかかってしまいます。

ですので、おすすめは四つ這いでの肩挙上エクササイズです。

Pointは外転120度で挙上するのを意識してみましょう!

また、僧帽筋の上部を抑制させた中でも下部のエクササイズとしては、このエクササイズがおすすめです。

肩甲骨の下制を意識しながらチャレンジしてみてください!

肩ではなく、背中に効いている感じがあればOKです!

まとめ

解剖の知識があることは大きな武器です。

解剖を理解しているとエクササイズ指導の質もグッと上がります。

実際の触り方やコツなどが知りたい方は、ゼロからわかる解剖学セミナーでお待ちしています!

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