「腸腰筋」ってよくきくけど、何に効くの??
そんな疑問を持っている方はぜひ今回のコラムをチェックしてみてください!!
人体にとって最重要と言っても過言ではない「腸腰筋」
この筋肉を深く知ることで体は変わってきます!!
Youtubeで腸腰筋を学ぶ!
腸腰筋の解剖学的特徴
腸腰筋は
- 大腰筋
- 小腰筋
- 腸骨筋
の3つの筋肉をまとめた総称です。
なぜ腸腰筋は大切なのでしょうか?
その理由としては、
・股関節と体幹をつなぐ唯一の筋肉
・大腿骨頭を前面から守る
・脊柱の深層に左右均等に付着する
があります。
この腸腰筋が機能することで、体幹や股関節が安定し姿勢が整ってきます。
腸腰筋が機能していないと、
・反り腰
・猫背
・太ももの前が張る
・股関節がつまる
などの問題を引き起こしやすいですね!
インストラクターさんであれば、よく経験する症状ではないでしょうか?
腸腰筋は、これらの問題を解決するためにとても重要な筋肉です。
なぜ腸腰筋が重要かを説明できますか?
解剖の知識を理解していれば、
- どんなエクササイズが効果的で
- どんな代償動作が出やすいのか
まで考えることができます!
今回は腸腰筋を解剖から理解し、明日から使えるPointをお伝えしていきます!
腸腰筋の起始・停止
まずは、腸腰筋がどこについているかを確認しましょう!
【起始】
大腰筋:胸椎12、腰椎1〜4の椎体と椎間円板、腰椎横突起
小腰筋:胸椎12、腰椎1の椎間板
腸骨筋:腸骨窩
【停止】
大腿骨小転子、関節包(腸骨筋)
【作用】
股関節の屈曲・外旋
腸腰筋をあえて一言でまとめるのであれば
腰から股関節の前についていて、股関節を曲げる筋肉であり姿勢を安定させる筋肉!
です。
腸腰筋は股関節の前を通る筋肉です。特に深層から大腿骨を前から守る筋肉は腸腰筋だけです!
腸腰筋が機能しないとSway back(反り腰)などの不良姿勢につながるのは予測しやすいですね。
こんな報告もあります。
骨盤後傾量が大きいと大腿直筋が過活動すること,骨盤後傾量が小さいと腸腰筋の収縮が起きていることが推測される.
骨盤大腿リズムにおける骨盤後傾量と大腿直筋の筋活動との関係(2008,本島)
この論文から、Sway Back姿勢では腸腰筋が働かないことが予測できます。
また、骨盤後傾位では、腸腰筋の代わりに大腿直筋(太ももの前側の筋肉)が過度に働きます。
つまり
- 骨盤が後傾した猫背姿勢では
- 腸腰筋が働かず、大腿直筋が働く
- 大腿直筋は太ももの前側なので
- 「太ももの前側が張ってしまう」という悩みにつながる
ということですね。
この原理がわかっていると。
「太ももの前側が張っている=太ももの前側を伸ばそう」では効果が出ないことがわかりますね!
実際に腸腰筋を触ってみよう!
腸腰筋の解剖を理解したところで、実際に触ってみましょう!
筋肉の起始・停止と走行がわかった上で、実際に筋肉を触ると筋肉をより詳しく理解することができます。
実際の体では、
- 皮膚の上から触れる必要がある
- 筋肉が何層にもなっており、直接触れられない筋肉がある
筋肉をいきなり触ろうと思っても人によって体の大きさや筋肉の大きさは異なります。
まずは骨を指標にすることがポイントです。
今回の腸腰筋であれば、骨盤の上前腸骨棘(以下ASIS)を指標にすることで、筋肉の位置関係を把握しやすくなります!
では、腸腰筋に触れてみましょう!
触る順序としては、
1:ASISを確認
2:恥骨とASISの間の大腿動脈触る(動脈なので、指をおいたときに拍動が伝わります)
3:大腿動脈の外側にあるのが腸腰筋
4:股関節を曲げて・外側にねじると筋肉が触れられる・動く
もっと伸びる!腸腰筋のストレッチ方法
筋肉の位置と働きが理解できたところで、次に腸腰筋を伸ばしてみましょう!
腸腰筋を伸ばした方がいい場合は
- 反り腰
- 股関節が後ろに伸びない
- デスクワーカー
など、日頃から股関節を後ろに伸ばしていない方です。
では、どのように伸ばしていけば良いのでしょうか?
ポイントは腸腰筋の起始停止を考えて
大腿骨の小転子と胸郭(胸腰椎)を引き離す。
ことができればストレッチがかかります。
理想は
股関節伸展+胸郭を反対に回旋
です。
さらに横隔膜と連結しているので、伸ばした状態で呼吸を促すとさらGood!
文献としては、
大腰筋の伸張率は、股関節の伸展20度のみ(104.8%)より、股関節の伸展20度に外転20度・内戦30度を加えることでより高くなった(106.5%)。
3 次元上の股関節の動きが大腰筋の伸張率に及ぼす影響(2016,稲井)
という報告もあるので、内旋を入れるとより伸張感が強くなります!
効果が出る腸腰筋エクササイズ
それでは、腸腰筋を鍛えていきましょう!
腸腰筋は、
- Sway back(猫背、反り腰)
- 太ももが張りやすい
などの悩みがある人はやってみましょう!
やり方は、シンプルに骨盤前傾位をキープして股関節を屈曲しましょう!
間違ったやり方で多いのは、
- 骨盤後傾位で足を持ち上げる(大腿直筋が過度に働く)
- 過度な腰椎伸展で、腰部脊柱起立筋が働く
です。
きちんと腸腰筋に効いている場合は、
触診で確認した股関節の付け根に疲労感が出てきます!
最後に
解剖の知識があることは大きな武器です。
解剖を理解しているとエクササイズ指導の質もグッと上がります。
実際の触り方やコツなどが知りたい方は、こちらのセミナーがオススメです。
解剖の知識をつけて目の前の人をたくさん救っていきましょう!!