広背筋の解剖学〜ゼロからわかる解剖学〜

目次

Youtubeで広背筋を学んで鍛える!

広背筋の解剖学的特徴

広背筋をご存知ですか?

広背筋は背中にある大きな筋肉です。

一度は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

この筋肉は鍛えることも大事ですが、

特にストレッチをして柔軟性を出すことが非常に重要です。

理由としては、

・巻き肩

・反り腰

・腰痛

これらの症状の原因に広背筋は深く関わるから。

上記の悩みは、特に女性で多いお悩みではないでしょうか?

なぜこれらの症状に関わるかは、解剖の知識があれば理解できます。

  • 筋肉がどんな位置についているのか
  • どんな特徴があって
  • どんなエクササイズが効果的なのか

今回は広背筋を解剖から理解し、明日から使えるPointをお伝えします!

広背筋の起始・停止は?

【起始】

第7〜12胸椎、腰椎、仙骨、胸腰筋膜、第9〜12肋骨、腸骨稜

【停止】

上腕骨(結節間溝)

【作用】

肩関節伸展・内転・内旋 体幹伸展・側屈・骨盤の挙上

作用については上記の通りなのですが、専門用語が多くわかりにくいですよね。

実際には大まかな位置関係を理解しているだけでも、エクササイズ指導に活かすことができます。

なので、簡単に理解したい方は下記をご参照ください!

【ズボラ起始】

骨盤の後ろ

【ズボラ停止】

上腕骨

こんな感じでざっくりと理解してみてください!

ざっくりと理解した上で、さらに広背筋の解剖でチェックして欲しいのは、

上腕骨の結節間溝についているということ。

結節間溝とは、『大結節』と『小結節』という骨の出っ張りの間にある溝のこと。

これはいい姿勢を基準とすると、上腕骨の前側にあります。

なのでイメージとして持っていただきたいのは、

広背筋は、脇の下を通って上腕骨の前側についている

ということ。

これが理解できれば、広背筋が巻き肩につながるということもイメージできませんか?

①広背筋が硬くなる

②上腕骨が内側に捩れる

③肩が巻いてしまう

こんな流れで巻き肩になっている方は非常に多いです。

これは解剖の知識があるからこそ理解できますね

広背筋が硬いとどうなる?

広背筋が硬くなると体にさまざまな影響が生じます。

主には下記の3つです。

・巻き肩

・反り腰

・腰痛

この中でも巻き肩は理解いただけたと思いますので、反り腰・腰痛についてお伝えします。

反り腰に関しては、筋肉がどこについているかを考えれば容易に理解できます。

広背筋は骨盤の後ろ側についている筋肉でしたね。

骨盤の後ろにつくため、筋肉が短くなると骨盤が前傾します。

そのため、反り腰で広背筋の柔軟性が低下している人は非常に多いです。

次は腰痛との関係について

広背筋と腰痛の関わりとして、『胸腰筋膜』は理解しておきたい組織です。

胸腰筋膜とは、腰にある筋膜のこと。

この筋膜は広背筋や大臀筋・腹斜筋など色々な筋肉と繋がっています。

この筋膜が適度に緊張していることで、腰部が安定することができます。

しかし、この筋膜には痛みを感じるセンサーが多く存在しています。

そのため、この筋膜に負担がかかるような状態では、腰の痛みを引き起こしてしまうのです。

臨床的に多く経験するのは、胸腰筋膜につながっている大臀筋・広背筋の柔軟性が低下しているようなケースです。

広背筋や大臀筋が過度に硬くなっている場合、胸腰筋膜に負担がかかるのはもちろんですが、

腹横筋というお腹のインナーマッスルが働きにくくなったという報告があります。

無症状群では腹横筋の収縮(筋厚増加)に伴い筋・筋膜移行部の移動距離も大きくなり、胸腰筋膜は側方に引かれた。しかし、腰痛群では、腹横筋の収縮(筋厚増加)に伴う筋・筋膜移行部の外側方向への動きが低下していた。

腰痛の有無にて比較した腹横筋と胸腰筋膜の関連性(村上 2010)

本来、腹横筋が前から胸腰筋膜を横に引っ張り、コルセットのように体幹を安定させます。

ですが、胸腰筋膜についている広背筋や大臀筋が硬いと、胸腰筋膜が硬くなり、腹筋の力が入らなくなるので腰痛につながってしまうのです。

では、実際に広背筋の柔軟性が低下しているのはどのように確認するのでしょうか?

チェック方法は簡単!

仰向けでバンザイをした時に、

  • 手が上がりきらない
  • 腰が反る

場合は、広背筋が固くなっているかも!

それ以外にもこんな方法でもチェックできます。

肘をつけたまま、どこまで手が上がるかをチェックします。

鼻のラインが越えられればOKです。

広背筋が弱いとどうなる?

次に、広背筋が弱いとどうなるのでしょうか?

広背筋が弱い場合も腰の痛みに関わります。

こんな報告があります。

僧帽筋下部とともに広背筋を強化することで、胸腰椎関連の背中の痛みが緩和された

Role of Latissimus Dorsi and Lower Trapezius in Chronic Mechanical Low Back Pain due to Thoracolumbar Dysfunction(Sanjiv et.al)

胸腰筋膜には適度な緊張があることで、腰部が安定します。

広背筋や大臀筋のなどが上手く働いていないと腰回りが安定しないので、他の筋肉に負担がかかって腰痛になってしまうということ。

つまり、広背筋は弱くなっても硬くなっても腰痛に関連してしまうということです。

エクササイズ

では、エクササイズ方法をご紹介します!

まずは、ストレッチ方法です。

広背筋のストレッチは、体幹の回旋や回旋+側屈で伸びます。

文献的には、下部繊維では側屈だけでも顕著に伸張されたとの報告もあります。

ストレッチ方法は、シンプルにマーメイドエクササイズでOKです。

他にもこちらの方法では、簡単でストレッチ感もわかりやすいため、自主練習方法として著者はよく指導しています。

次にエクササイズ方法です。

広背筋の作用は、肩関節の伸展・内転・内旋です。

さらに体幹部では、伸展させることでも働きます。

先ほど説明した通り、僧帽筋の下部繊維と一緒に働かせることが重要になります。

まとめ

解剖の知識があることは大きな武器です。

解剖を理解しているとエクササイズ指導の質もグッと上がります。

実際の触り方やコツなどが知りたい方は、ゼロからわかる解剖学セミナーでお待ちしています!

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