前鋸筋の解剖学〜ゼロからわかる解剖学〜

目次

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前鋸筋の解剖学的特徴

前鋸筋という筋肉をご存知でしょうか?

あまり聞き慣れない筋肉だと思います。

ですが、この筋肉は肩甲骨を安定させる重要な筋肉です。

特に

・肩こり

・肩の不安定性

・肩がつまりやすい

などの肩の症状がある人には、必須で捉えておきたい筋肉です。

前鋸筋は肩甲骨を肋骨に押し付けるような働きがある筋肉です。

筋肉の位置や走行などの詳細は後ほど詳しく説明しますが、肩甲骨を安定させるのに重要というのは頭に入れておいて下さい。

肩甲骨は上下・左右・回旋など3Dで動きます。

可動性ももちろん重要なんですが、安定性も非常に重要です。

この肩甲骨が安定していないと、

・肩のインナーマッスルが働きにくくなる

・肩甲骨の位置が崩れてしまう

など、肩の不調にもつながってしまいます。

また、猫背姿勢やストレートネックのような人は前鋸筋が働かず、頭の位置が崩れたままの人も多くいらっしゃいます。

前鋸筋を解剖から理解することで、肩こりや肩の痛みなどの原因やアプローチがわかります。

  • 筋肉がどんな位置についているのか
  • どんな特徴があって
  • どんなエクササイズが効果的なのか

今回は前鋸筋を解剖から理解し、明日から使えるPointをお伝えします!

前鋸筋の起始・停止は?

まずは、前鋸筋を解剖から理解していきましょう!

【起始】
第1〜9肋骨

【停止】

肩甲骨内側縁

【作用】

肩甲骨外転、上方回旋

作用については上記の通りです。

まずは、「肩甲骨の内側から肋骨についてるんだ!」くらいの理解でOKです。

さらに詳しく知りたい方は、各繊維ごとに理解しましょう!

前鋸筋はさらに細かく「上部」「中部」「下部」に分かれています。

上部繊維

【起始】第1・2肋骨 【停止】上角

【作用】肩甲骨の回旋運動の固定、前傾

中部繊維

【起始】第2・3肋骨 【停止】内側縁の全長

【作用】肩甲骨の外転

下部繊維

【起始】第4〜9肋骨 【停止】下角

【作用】肩甲骨の外転・上方回旋

猫背姿勢の方は、肩甲骨が前傾しているパターンの人が非常に多いです。

そんな方には下部繊維を特に鍛えてあげるとGood。

肩甲骨が前傾するということは、肩甲骨の下角が浮くような位置関係になります。

下部繊維は肩甲骨の下角に付着しており、肋骨に向かって肩甲骨を貼り付けるような作用があるため、下部繊維の賦活が大切になります。

前鋸筋が弱いとどうなる?

Scapla dyskinesisを聞いたことがありますか?

聞いたことのない人が多いのではないでしょうか?

Scapla dyskinesisとは、簡単に言えば『肩関節の動きと位置のエラー』です。

通常手を挙げるときや肩を動かすときには、肩甲骨が3Dに動きます。

この肩甲骨の動きが正常に動くからこそスムーズに肩が動いてくれます。

しかし、不良姿勢が続いてしまったり、怪我をしてしまうと肩甲骨の位置や動き方に不具合が生じてしまうのです。

このScapla dyskinesisに前鋸筋は重要になります。

具体的にScapla dyskynesisには3つのパターンがあると言われています。

A:肩甲骨の下が浮き出ている(肩甲骨が過度に前傾)

→僧帽筋下部・前鋸筋下部の強化が必要

B:肩甲骨の内側が浮き出ている(肩甲骨が過度に内旋)

→僧帽筋・菱形筋・前鋸筋の強化が必要

C:肩甲骨の上が浮き出ている(肩甲骨が過度に上方回旋・挙上)

→僧帽筋上部の抑制・下部の強化が必要

身体運動学(市橋則明編集 MEDICALVIEW)

前鋸筋は肩甲骨の内側〜肋骨についている筋肉でしたね。

前鋸筋は肩甲骨の内側を肋骨に近づけるような働きです。

前鋸筋が上手く働かないと、

Aのように下角が過度に浮いてきたり、Bのように肋骨の内側が浮いてきたりしてしまいます。

ですので、AやBのパターンは特に前鋸筋の働きが重要になります。

前鋸筋が硬いとどうなる?

前鋸筋が硬いと、頸部〜肩甲骨の内側にかけての肩こりになる可能性があります。

前鋸筋は、肩甲挙筋や菱形筋と筋連結があると言われています(Igarashi 2008)。

肩甲挙筋や菱形筋も肩甲骨の内側に付着しているため、前鋸筋と連結しているというのは理解しやすいですね。

肩甲骨の内側を介して、一枚のシート状になっているようなイメージを持つとわかりやすいです。

それぞれの筋肉の作用として、

前鋸筋の作用は、肩甲骨の外転と上方回旋

大・小菱形筋の作用は、肩甲骨の内転と下方回旋

です。

前鋸筋と大・小菱形筋は、拮抗している筋肉。

つまり、お互いに引っ張り合っている関係ということです。

例として、前鋸筋が固くなっている(肩甲骨が外転・上方回旋している)場合を考えてみましょう。

肩甲骨が外転・上方回旋すると肩甲挙筋や大・小菱形筋は伸長される位置関係になります。

この状態では、すでに伸長位のため頸部の動きや胸椎の動きが制限されてしまいます。

結果的に頸部の不調につながってしまいます。

逆に肩甲挙筋や菱形筋が硬いと、前鋸筋が働きにくくなります。

ですので、前鋸筋の動きや苦手な方や頸部の不調がある方は、肩甲挙筋や菱形筋の影響も考慮してみてください!

エクササイズ

それでは、エクササイズ方法をご紹介します!

まずは、ストレッチから。

前鋸筋を伸ばすPointは、肋骨から肩甲骨の内側を引き離すことです。

肋骨を止めた状態で、肩甲骨を内転させるように動かしましょう!

他には、リバースプランクのように前鋸筋を使いながら伸ばすのも効果的です!

次は、トレーニング方法です。

前鋸筋を鍛えるPointは、肩甲骨に肋骨を張り付けることです。

肩甲骨を押し付けながらコントロールしてみましょう!

 

また、特に上部繊維を働かせたい場合

また、前鋸筋は外腹斜筋と筋連結(筋膜でつながっている)があります。

一緒に鍛えることで、より機能的に効率よく鍛えることができます。

まとめ

解剖の知識があることは大きな武器です。

解剖を理解しているとエクササイズ指導の質もグッと上がります。

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