ハムストリングスの解剖学〜ゼロからわかる解剖学〜

目次

ハムストリングスの解剖学をyoutubeで学ぶ

ハムストリングスの解剖学的特徴

ハムストリングスは、股関節の裏側についている筋肉で、

  • 半腱様筋
  • 半膜様筋
  • 大腿二頭筋

の3つの筋肉の総称です。

この筋肉が硬くなると、

・腰が痛む

・骨盤が前傾しにくくなる

・太ももが張りやすくなる

・膝が伸びにくくなる

といった不調を引き起こします。

論文でも、

・ハムストリングの柔軟性が低い者ほど、体幹前屈 20 ~ 40°で骨盤前傾が小さく、そのぶん腰椎屈曲が大きいことが示された。(1)

・柔軟なハムストリングスが腰痛予防に重要であることが示唆された。(2) 

(1)体幹前屈動作時の脊柱運動とハムストリングの柔軟性の関連性 
(2)The effect of dynamic stretching on hamstrings flexibility with respect to the spino-pelvic rhythm

ハムストリングスが硬いと、骨盤の動きを制限してしまいます。

骨盤が動かない結果、腰椎への負担が大きくなり腰痛につながりやすくなります。

近年では、デスクワーカーの増加やスマホの普及により、腰痛の方が増えています。

腰痛のクライアントさんを担当することも多いのではないでしょうか?

では、インストラクターの皆さんはこのハムストリングスがどこにあって、どんな働きがあるかを理解していますか?

解剖の知識を理解していれば、

  • どんなエクササイズが効果的で
  • どんな代償動作が出やすいのか

まで考えることができます!

今回はハムストリングスを解剖から理解し、明日から使えるPointをお伝えします。

ハムストリングスの起始停止は?

まずは、ハムストリングスがどこについているかを確認しましょう!

まずは、内側ハムストリングスから!

【起始】坐骨結節

【停止】

半腱様筋:脛骨粗面内側

半膜様筋:脛骨内側顆。斜膝窩靭帯、後内側関節包、内側半月板、膝窩筋の筋膜

【作用】股関節伸展・内転、膝屈曲、下腿内旋

簡単に理解すると、股関節を伸ばす、膝を曲げる筋肉です!

内側には半腱様筋と半膜様筋の2つの筋肉がありますが、作用は同じです。

次は外側ハムストリングスです!

【起始】

長頭:坐骨結節

短頭:大腿骨の粗線

【停止】腓骨頭

【作用】:股関節伸展(長頭のみ)、膝関節屈曲、下腿外旋

大腿二頭筋は、

  • 坐骨結節についている長頭
  • 大腿骨の中間からついている短頭

に別れています。

二つの作用はほとんど同じですが、長頭は坐骨結節についているため、股関節の伸展にも作用します。

内側と外側の違いとしては、

下腿を内旋させるか、外旋させるかが異なります。

画像の通り、

内側ハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋)は、すねを内に捻り、

外側ハムストリングス(大腿二頭筋)は、すねを外に捻ります。

まとめると、

ハムストリングスは、股関節を伸展・膝を屈曲する筋肉で、内側はすねを内に捻り、外側はすねを外に捻る!

実際にハムストリングスに触ってみよう!

ハムストリングスの解剖を理解したところで、実際に触ってみましょう!

筋肉の起始・停止と走行がわかった上で、実際に筋肉を触ると筋肉をより詳しく理解することができます。

実際の体では、

  • 皮膚の上から触れる必要がある
  • 筋肉が何層にもなっており、直接触れられない筋肉がある

まずは骨を指標にすることがポイントです。

1:坐骨を触る

2:膝の窪み(膝窩)の内側を触る

3:膝を曲げると動く筋肉が内側ハムストリングス

4:半腱様筋は表層でコリっとした感触、半膜様筋はその下にある。

内側ハムストリングスは、すねを内に捻る作用もあります。

そのため、画像のようにつま先を内側に向けながら膝を曲げるとより触知しやすくなります!

また、半腱様筋は表層にあるため触知しやすいです。

では、次は外側を触ってみましょう!

1:坐骨を触る

2:膝の窪みの外側を触る

3:膝を曲げると動く筋肉が大腿二頭筋!

外側ハムストリングスは、すねを外に捻る作用もあります。

そのため、画像のようにつま先を外側に向けながら膝を曲げるとより触知しやすくなります。

ハムストリングスのストレッチ方法

では、ハムストリングスをストレッチしてみましょう!

ハムストリングスが硬いと、骨盤は後傾方向に引っ張られます。

後傾方向に引っ張られたまま、前屈などをすると腰への負担が大きくなります。

前屈で床に手がつかない場合は、特にストレッチをしていきましょう!

論文的にもハムストリングスのストレッチは腰痛に効果的です。

ダイナミックストレッチにより、脊柱-骨盤リズムを骨盤優位の動きに変えることができ、柔軟なハムストリングスが腰痛予防に重要であることが示唆された

The effect of dynamic stretching on hamstrings flexibility with respect to the spino-pelvic rhythm(hasebe 2016)

では、実際にハムストリングスのストレッチをご紹介します!

ストレッチはシンプルに前屈をしていきます!

この時に今回学んだ解剖の知識を活かして、内側・外側それぞれ伸ばしてみましょう!

つま先を外に向けると、外側が伸びやすく

つま先を内に向けると、内側が伸びやすく

なります!

ハムストリングスのエクササイズ

では、エクササイズ方法を紹介していきます!

今回はブリッジでハムストリングスを鍛えていきます。

ブリッジでハムストリングスを鍛えるポイントは、踵の位置を遠くに置くこと。

こうすることで、お尻よりもハムストリングスに効きやすくなります!

さらに今回は外側・内側を分けて鍛えていきます!

つま先を内側に向けると内側

つま先を外側に向けると外側

を鍛えることができます!

変形性膝関節症やO脚の人は、下腿(すね)が外に向いている場合が多い。

つま先でボールを挟んで、内側ハムストリングスを使うとアライメントの修正に効果的です!

最後に

解剖学の知識があることは大きな武器です。

解剖を理解していると、エクササイズ指導の質もグッと上がります。

実際の触り方やコツなどが知りたい方は、ゼロからわかる解剖学セミナーで待っています!

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