さて。ピラティスと筋トレの違いはなんでしょうか?
まるで違います。
その辺りを解説していきます。
これを理解すると運動指導が上手くなりますし、使い分けができます。
ではいきます。
ベンチプレス100kgあげる人でもできないピラティスエクササイズ
ベンチプレスが100kgくらい上がる人がこういうエクササイズをするとできないことがあります。
この場合は「太もも裏側の柔軟性+腸腰筋の筋力」が骨盤の固定点を作ります。人間は固定をしないと押せないので。
上半身に力があっても体に固定点ができない場合は押せないんです。 pic.twitter.com/JlweFwRt79
— 吉田直紀/Nピラティス/理学療法士 (@kibou7777) July 23, 2021
ということがよくよくあります。
いやむしろ多いです。
スポーツはしないけど、筋トレだけしていて、筋肉が肥大している人こそ起こりやすい問題です。
ピラティスは体の固定点を作り出す
これすごく大事です。
体の中の固定点を作り出します。
Nピラティスもすでにアスリートが増えてきておりますが。
彼らは競技パフォーマンスをあげることを目的にピラティスをします。
ベンチプレスの重量をあげることを目的としていません。
1ベンチプレスの重量をあげることで
2筋力がついて
3競技パフォーマンスがアップする
と思っている方が多いので、そこに着目されやすいだけです。
もちろん筋力のボリューム自体をあげることで競技パフォーマンスが上がることはあります。
ただそれだけがパフォーマンスを上げる因子ではありません。
例えば。
ベンチプレスの台は特に何もしなくても背中に固定点を作ります。
あとは下半身と背骨のブリッジでさらに固定点を強くすることができます。
一方ピラティスマシンのリフォーマーはどうでしょうか?
上記のエクササイズでは
1後方に引っ張られる力が加わる
2腸腰筋とハムストリングスの機能で骨盤を立てておく
3その上に土台として脊柱〜肩甲骨が安定する
4だから上半身に力が加わって押せる
ということになります。
この時にベンチプレスと違うのは。
体の中の固定点である「骨盤」を立ててキープさせること
が求められます。
じゃあこれはどうやってできるか?
1腸腰筋の求心性収縮
2ハムストリングスの十分な柔軟性
3多裂筋の収縮
この3つが必須です。
これができないとベンチプレス100kgあげる力があっても。
力を発揮することできないんです。
実際にハムストリングスが硬い人はこのエクササイズで全く押せません。いくら大胸筋があっても。
体の中の固定点は支点を作り、力を伝達する要になります。
ほとんどのスポーツは体の中に固定点を作ることが求められます。
だから。
重さをあげること=パフォーマンスアップにつながらないこともあるのです。
では細かくスポーツ選手の内部支点をみていきましょう。
スポーツの多くは内部の支点を作り出すことが必要
ではうちに来ているスポーツ選手の競技をあげて説明していきます。
1ジョッキー
さてジョッキーを見てみましょう。
馬に乗るときに支点となるのはどこでしょう?
これも骨盤だと考えています。
1馬を挟み込むように乗る(内転筋)
2骨盤を前傾位でロック(腸腰筋とハムストリングスの機能)
3体幹が下半身からの揺れに対応できるようにする(体幹のスタビリティ)
と考えます。
おすすめのエクササイズはこちら↓
2ゴルファー
これも同様です。
上半身のスイングを高めるためには強力な下半身の固定点が必要です。
1股関節内転
2腸腰筋、ハムストリングスの収縮
ただジョッキーと異なるのは上半身がフリーであり、体をスイングして負荷になるということです。
つまり、上半身の回旋に引っ張られない下半身の強化が必要になるわけですね。
3サッカー
ではサッカーのキック動作はどこが支点になるでしょうか?
もちろん軸足は使います。
加えて
1上半身のねじり(肩甲骨の動き、胸椎の回旋)
2下半身のねじり(骨盤の回旋、股関節の伸展・回旋)
この2つが引っ張り合うことで中心に固定点ができます。
だからサッカー動作のキックを強くする場合は上半身と下半身のねじりを大きくするトレーニングが必要になるのです。
でどちらの要にもなるのは「胸椎」。脊柱の中で最も回旋するのは「胸椎」です。
この胸椎が動くことでサッカー選手のねじり・固定点が作られます。
これがおすすめのエクササイズ
まとめ
・ピラティスと筋トレは固定点が異なる
・内部に固定点を作り出すピラティス
・スポーツ動作は内部に固定点を作り出すことがほとんど
・各スポーツにおいて固定点の作り方は異なる
です。
参考にしてみてください!